介護の仕事を楽しいと感じられる点

介護の仕事というと、安い賃金で、体力勝負のハードワークという、どちらかというとネガティブなイメージが強いかもしれない。正直、そういった一面があるのは事実だろう。行政が賃金の引き上げを提唱しているのにも関わらず、現実はなかなか追いついておらず、夜勤も多いうえ、体が動かない高齢者の方を持ち上げたり、排せつ介助をしたりと、まさに体力勝負だ。さらに、これだけ頑張っても、やはり自然の摂理である老いには抵抗することができず、担当の方が亡くなったときなどは本当に落ち込んだりするだろう。

しかし、この仕事には、それにも勝る喜び、楽しみがあるのも事実だ。介護とは、する側とされる側、双方の人間関係で成り立つものと言える。そのため、「してあげる」という上から目線で仕事をするべきではない。同等の姿勢で向き合うことで、人は見かけじゃわからないとか、言葉にできない感情を持っているのだなとか、そういったことを肌で感じることができる。自分の行動が相手に刺激を与え、様々な感情として返ってくる、この過程がとても楽しいのだ。介護を通じて、人間関係の基本を学ぶことができると言えるだろう。さらに、コミュニケーションスキルも磨くことができる。

そして、自分でも誰かの役にたっているのだと自己肯定ができることも良い点と言える。これから日本は高齢者がますます増えていくわけだが、介護業界の楽しさややりがいを多くの人が知って目を向けていけば、労働条件も向上していくかもしれない。